佐藤豊彦氏の最新CD情報です。
日本では東京エムプラスよ予定ですが、
下記のコンサート会場で先行販売されます。
Esaias Reusner : Lute Music
佐藤豊彦 バロックリュート
一般2800円 ソサエティ会員2500円
また、ソサエティ事務局までご連絡いただければ、CDの予約も受け付けています。
torulute@ybb.ne.jp
LGSの皆様
2016年の佐藤豊彦氏のコンサート情報です。
一般4500円 ソサエティ会員4000円
お求めは torulute@ybb.ne.jp まで
佐藤豊彦 バロックリュート・リサイタル
E. ロイスナーの音楽 CD 発売記念
2016年5月25日(水) 開演:19:00(開場:18:30)
演奏曲目:
ロイスナー / 組曲Aマイナー、組曲Dメジャー
ヴァイヒェンベルガー / 組曲Gメジャー
テレマン / 組曲Fメジャー
ロイスナーのリュート音楽
日本には俳句という世界で最も短い形態の詩があります。エザイアス・ロイスナーのリュート音楽もほとんどの場合非常に少ない音の組み合わせによる短い曲で成り立っています。俳句はこれ以上短くできない詩でありながら、その中には必要欠くべからざるものは描かれています。のみならず、読者の想像力をも働かせます。その意味では禅の心である「無」=「無限」にも近いと言えます。俳諧の最も重要な人物の一人が松尾芭蕉(1644-1694)です。期せずしてロイスナー(1639-1679)も同時代に活躍しました。ここで演奏される2つの組曲が選ばれた曲集「新しいリュートの果実」(Neue Lauten-Früchte)をロイスナーがベルリンで出版したのは1676年で、ロイスナーが37歳、芭蕉が32歳の時です。
西洋音楽が17世紀初頭のモンテヴェルディから18世紀初頭のヘンデルやヴィヴァルディへ向かってより華やかにそして大がかりになって行く(いわゆるバロック時代の)中で、ロイスナーが演奏した11コースのフランス式リュートはそれとは正反対の「茶室」(つまり、閉鎖的な方向)へ向かう性質を強く持っていました。同じ頃(17世紀の半ば)、日本では禅の心を元にした武士のための能楽から、一般大衆を相手にした歌舞伎への変動が起きています。その後歌舞伎はますます大がかりになり、ヨーロッパに於けるオペラの様なものへと発展して行きます。そのような中で、静寂で孤独な「世捨て人」の人生を求めた俳諧者芭蕉の「侘び・寂び」とロイスナーの音楽は共通するところがあります。日本とヨーロッパは遠く離れているようですが、地球上に生まれる人の感覚には(例えその言葉と表現法が異なるとしても、)大きな違いがないという証でもあると思います。
俳句は一度聞いただけでその奥深い内容のすべてを理解するのは簡単ではありません。その意味では、ロイスナーの音楽はCDでじっくり(繰り返し)聴いて頂くのが最適であるかも知れません。と言う次第で、このリサイタルでは(ある意味でロイスナーの音楽とは対照的な、)明るくて分かりやすいヴァイヒェンベルガー(1676-1740)とテレマン(1681-1767)の音楽との組み合わせでお聴き頂くことにしました。